会員・部会の研究報告

会員の研究報告

中央卸売市場をめぐる委託手数料の弾力化
関東ブロック  角田 智生

1.はじめに

日本の生鮮食品流通の太宗を担っている卸売市場は,平成11年,16年の卸売市場法改正によって大きく変わろうとしている。平成21年4月から施行された「卸売手数料の弾力化」がどうなるか,それが今後の卸売市場流通にどのような影響を与えるかが大きな関心事になっている。
卸売市場とは,野菜,果実,魚類,肉類,花き等の生鮮食料品等の卸売のために開設された市場で,卸売場,自動車駐車場,その他の生鮮食料品等の取引および荷捌きに必要な施設を設け,継続して開場されるものをいう。
現在,市場を取り巻く流通環境が大きく変化し,市場外流通も増えている中で,中央卸売市場の活性化を図り,今後ともその機能を果たしていくためには,開設者だけでなく,実際に活動している業界の努力,中でも中心的な役割を果たす卸売業者が,自主的な経営努力と経営判断をしていくことが重要である。
卸売業者を取り巻く関係者は,次のとおりである。

  • 農林水産大臣
    農林水産大臣は,卸売市場法に基づき,卸売市場の開設・運営に対する広範な権限を有しており,わが国の生鮮食料品等の流通の円滑化を図っている。
    農林水産大臣の有する権限の1つに,開設者および卸売業者にかかる指導監督権等がある。
  • 開設者
    開設者である東京都は,生鮮食料品等の円滑な供給の確保と都民の消費生活の安定に資することを目的として,東京都中央卸売市場条例に基づき,市場の取引業務および市場の適正かつ健全な運営を図っており,東京都が担っている業務の内容の1つには,市場業者の経営改善等がある。
    なお,卸売市場法に定められている「業務規程」として,東京都では「東京都中央卸売市場条例」を制定している。卸売業者の委託手数料等の弾力化については,業務規程で卸売手数料を定めなければならないとする規定が,平成21年4月1日に廃止されたため,東京都中央卸売市場条例の一部改正(同日施行)により,卸売業者の事前届出制となった。
  • 出荷者
    出荷者は,市場取引にとって欠くことのできない存在であり,市場関係法令でも間接的に正当な利益が保護されている。大消費地市場であり,かつ集散市場としての性格を持つ東京都中央卸売市場にあっては,出荷者の範囲は全国に及んでいる。
  • 卸売業者
    卸売業者は,農林水産大臣の許可を得て,出荷者から販売委託された品物や,買付集荷とした品物を市場内卸売場において仲卸業者または売買参加者に卸売する者をいう。
    販売は,取扱物品の特性に応じて,「せり売り(入札売を含む)」または「相対取引等」によって行う。集荷については,出荷者から販売委託による「委託集荷」と「買付集荷」の方法で行われている。卸売業者は,単に委託または買い付けした物品を販売するだけでなく,集荷機能という重要な役割であるため,この集荷機能を十分に発揮するには,出荷者の信用を得ることがもっとも重要なことから,農林水産省や開設者は,卸売業者の経営状態や財務内容について厳重な監督・検査を行うとともに,出荷者に対する販売代金の送付の期限等についても厳格に定めている。
    卸売市場には,次のような機能がある。
  • 品揃え(商品開発)機能
    多種多様な品目の豊富な品揃え
  • 集分荷・物流機能
    大量単品目から少量多品目への,迅速で確実な分荷
  • 価格形成機能
    需給を反映した,迅速かつ公正な評価による透明性の高い価格形成
  • 決済機能
    販売代金の迅速・確実な決済

2.委託手数料届出事項調査委員会

(1) 目的

卸売業者の財務の健全性の確保を図るため,卸売業者の委託手数料率の届出および改善措置命令による委託手数料の変更について,専門的見地から調査を行う委託手数料届出事項調査委員会(以下,委員会)が設置された。

(2) 所掌事項

委員会は,中央卸売市場長が付議する次の事項を調査し,報告する。

  • 卸売業者が提出した事業計画の妥当性
  • 手数料率が経営に与える影響
  • その他公正かつ適正な取引の確保および卸売業者の財務の健全性の確保等に関する事項

(3) 組織

  • 委員は,5名以内で組織する。
  • 委員は,公認会計士等,企業経営に専門的知識を有する者,および卸売市場制度に精通し,学識経験を有する者のうちから中央卸売市場長が委嘱する。
  • 公認会計士3名,大学教授1名とともに,中小企業診断士である筆者が平成20年10月1日付で委嘱された。
  • 中小企業診断士は,主に卸売業者が申請した委託手数料率の妥当性や経営に与える影響等について審査する。

(4) 委員の任期

  • 委員の任期は2年とする。ただし,補欠の委員の任期は前任者の残任期間とする。

3.東京都中央卸売市場の概要

東京都中央卸売市場は,築地市場,大田市場,食肉市場,豊島市場,淀橋市場,足立市場,板橋市場,世田谷市場,北足立市場,多摩ニュータウン市場,葛西市場からなり,水産物部9社,青果部9社,つけ物部・鳥卵部3社,食肉部1社,花き部8社の卸売業者が営業している。
東京都中央卸売市場における平成18年度の卸売業者の総取扱金額(売上高)は,合計1兆2千万円であり,そのうち受託品率が52.7%を占めている(図表1)。
東京都中央卸売市場では,受託手数料を公表した。野菜,果実,水産,食肉,花きの分野の卸売会社28社のうち,27社が現行料率を届け出たが,世田谷市場の東京砧花き園芸市場は,委託手数料率を0.5%引き上げ,9.5%から10%への変更届が提出された。
委託手数料届出委員会では,申請された委託手数料率には卸売業者が提出した事業計画の妥当性と手数料率が経営に与える影響,その他公正かつ適正な取引の確保および卸売業者の財務の健全性の確保がされていると判断したため,平成21年4月1日から新委託手数料になった。
東京都が公表した届出料率をみると,28社のうち27社が現行料率(野菜8.5%,果実7.0%,水産5.5%,花き9.5%)の横並びである。
東京都の規則によると,届出後は原則3年間,料率の変更ができなくなるため,平成24年3月までは現行の料率が続くことになる(築地市場は5年間)。
しかし,現実には産地の出荷先絞り込み等により,買付集荷の増加で,卸の収益性は低下している。水面下ではすでに自由化時代が始まっている。独自の産地対応,買い出し対応を展開していかなければ,経営はますます困難になる。

図表1 東京都中央卸売市場卸売業者の経営状況(平成18年度)(食肉を除く)

(資料)東京都中央卸売市場平成18年度総合財務諸表
  水産物部(9社) 青果部(9社) 花き部(8社)
総取扱金額(売上高) 6,077億円 5,276億円 941億円 1兆2,295億円
卸売業務 5,133億円 4,914億円 930億円 1兆978億円
受託品 1,988億円 3,592億円 898億円 6,478億円
受託品率 32.71% 68.08% 95.40% 52.69%
買付品 3,145億円 1,322億円 32億円 4,500億円
買付品率 51.75% 25.06% 3.42% 36.60%
兼業業務 944億円 362億円 11 億円 1,318億円
兼業業務率 15.54% 6.86% 1.18% 10.72%
売上総利益 287億円 377億円 87億円 753億円
受託販売手数料 109億円 287億円 85億円 482億円
買付販売利益 138億円 56億円 2億円 196億円
兼業業務利益 40億円 34億円 1億円 76億円
売上総利益率 4.73% 7.16% 9.33% 6.13%
販管費 264億円 361億円 81億円 707億円
営業利益 22億円 16億円 6億円 46億円
営業利益率 0.37% 0.32% 0.69% 0.37%
経常利益 34億円 24億円 9億円 68億円
経常利益率 0.56% 0.46% 0.98% 0.55%

4.委託手数料の弾力化について

委託手数料とは,卸業者が出荷者から販売委託を受けた物品について,仲卸業者や売買参加者等に販売した場合に出荷者から受けとる手数料で,販売額に一定料率を乗じて算定する。卸売業者は,委託手数料以外の報酬の収受を禁止されており,国からの通達に基づき,全国一律の委託手数料が定められていたが,平成16年度の卸売市場法で廃止された。
これが「卸売手数料の弾力化」といわれるもので,「卸売手数料の自由化」と表現されることが多いが,農林水産省では「開設者(東京都)が手数料を一律に規定しているために,卸売業者の機能・サービスと手数料が硬直化していたのを機能・サービスに見合った手数料を徴収できるよう弾力化したもので,開設者の一定の関与があるため,卸売業者が自由に手数料を設定できる《自由化》ではない」としている。
開設者では,これまで条例で定率以内と定めた規則において,全国同一定率が定められていた(図表2)。

図表2

取扱品目 定率
生鮮水産物(海そうを含む)およびその加工品 100分の5.5
野菜(きのこを含む)およびその加工品(漬け物をのぞく) 100分の8.5
果実およびその加工品 100分の7
漬け物 100分の8
鳥肉および鳥卵並びにこれらの加工品 100分の1.5
肉類(鳥肉をのぞく) 100分の3.5
肉類の加工品 100分の1.5
規則で定めるその他の食料品 100分の5
花き 100分の9.5

5.平成16年の卸売市場法改正の趣旨

  • 「卸売市場法の一部を改正する法律」が平成16年6月9日に交付され,卸売手数料については,卸売業者が提供する機能・サービスに応じて卸売手数料を設定することが可能になった。
  • 規制の緩和,市場の再整備等によって市場機能の強化を図り,「安全・安心」で「効率的」な流通システムへの転換を図る。
  • 卸売手数料についても弾力化し,卸売業者が提供する機能・サービスに応じて手数料を設定することも可能とする。
  • 国の関与は廃止するが,開設者(東京都)は一定の関与をすべきであるとして,具体的にどのような制度にするかは,5年の経過措置期間中に開設者が国の示した次の4つの例をもとに定める。
    a .卸売業者の届出制とする場合
    b .開設者が上限を定めたうえで届出制とする場合
    c .開設者が上限を定めたうえで承認制とする場合
    d .開設者が料率を定める場合
  • 東京都は平成21年4月までに事前届出制度を構築し,中央卸売市場条例の改正等の手続きを行った。

たとえば,沖縄県と福岡県は承認制を,大阪市は届出制を採用する。条例改正案が成立した東京都は,規制色の強い事前届出制とあわせ,対応は3形態になった。
沖縄県は,手数料率に上限をつけた承認制にする。野菜8.5%などを上限とし,条例の下に設ける規制で,平成21年4月以降,当分の間は現在の料率を維持することに定める。
福岡市は,上限を定めずに卸売会社の判断で申請できる承認制にする。大阪市は,卸売会社の自由な選択に基づく事前届出制とする。
届出後3年間は,料率を固定することになっており,最初の3年間は試行錯誤の期間だが,2回目からは各奨励金の見直しが進み,本格的に変わる予定である。

6.東京都中央卸売市場条例の改正

東京都中央卸売市場条例および東京都中央卸売市場施行規則が,平成20年6月25日付で改正され,同年7月2日に交付施行された。ただし,卸売業者の販売委託手数料にかかる規程は,平成21年4月1日に施行された。
今回の改正は,「卸売市場法の一部を改正する法律」が,平成16年6月9日に交付され,卸売業者の販売委託手数料について開設者が定めるとされたことを受けて,関係条文を整備するとともに,卸売業者の委託手数料率の届出に関する取り扱いに関する取扱要領を作成した。

  • 卸売業者の事前届出制による手数料率の設定については,現在,市場を取り巻く流通環境が大きく変化し,市場外流通も増えている中で,中央卸売市場の活性化を図り,今後ともその機能を果たしていくためには,開設者だけでなく,実際に活動している業界の努力,中でも中心的な役割を果たす卸売業者が,自主的な経営努力と経営判断をしていくことが重要である。
  • 委託手数料の率については,卸売業者が機能・サービス等取引実態に応じて自らの判断で委託手数料率を設定し,知事に届け出る制度にすることにより,卸売業者の創意工夫を可能とし,市場の活性化を図ることとした。
  • 委託手数料率の届出は,「委託手数料率届出書」および以下の書類を添えて,事業部業務課へ,適用開始日の属する年の2月1日~10日までに行わなければならない。
    a .直近の事業報告書
    b .当該手数料率の適用開始期以後3年間の事業計画書,予定貸借対照表および予定損益計算書
    c .当該手数料率の適用開始以後3年間の予定貸借対照表
    d .当該手数料率の適用開始以後3年間の予定損益計算書
    e .前各号のほか,知事の指定する書類
  • 同一の会社が本社・支社という関係で,複数市場において卸売業者となっている場合,手数料率の届出は本社が行うものとする。このため,前述の書類は一会社として本社支社分を合わせたものを提出する。本社と支社で異なる手数料率を届けることはできない。
  • 本年度は新制度移行のため,全卸売業者が届出をする必要があるが,以後は,手数料を変更するときのみ,新たな届出の手続きが必要となる。
  • また卸売業者は,平成21年以降に使用する受託契約約款において,委託手数料率に関する事項を定める必要がある。

7.卸売業者の健全な経営を確保するための方策

産地や販売先がそれぞれ大型化するなど,市場流通が大型化する中で,卸売業者が厳しい状況にある。このような状況においては,過度な業者間競争等により経営が悪化して,市場流通を阻害することのないよう,また,市場取引に混乱をきたし,卸売市場の公的役割が損なわれることのないよう,卸売業者の健全な経営を確保していく仕組みが必要である。
このため,東京都は届出に際しては,事前説明制度を設け,卸売業者の財務の健全性や手数料率の妥当性等を確認することとした。また,万一,手数料率設定の影響によって経営が悪化した場合等に開設者が是正できる仕組みを設けた。

  • 卸売業者は,以下の書類を添えて,適用開始日の前年の10月1日~10日までに事業部業務課へ届出事項の事前説明をしなければならない。
    a .直近の事業報告書
    b .当該手数料率の適用開始時期以後3年間の事業計画書,予定貸借対照表および予定損益計算書
  • 手数料率の届出を行う卸売業者は,届出に必要となる書類を事前に作成のうえ,事業部業務課に提出し,内容の説明を行う必要がある。
  • 本年度は全卸売業者が届出をする必要があるため,この事前説明も全卸売業者が対象になる。
  • 事業部業務課では,提出された事業計画書等と卸売業者の説明から,卸売業者の財務の健全性や手数料率の妥当性等を確認する。
  • 従来の委託手数料が,卸売業者の安定的な経営を行ううえで,長年,公的基準として機能してきたことを踏まえ,卸売業者から従前と異なる率の事前説明書類等が提出された場合,東京都は変更にかかる合理的な理由や経営戦略,リスク等について十分な説明を受けることとし,必要に応じて追加資料や説明を求める。
  • 特に,手数料率を変更する場合にあっては,「委託手数料届出事項調査委員会」における調査により,経営に与える影響を十分に把握たうえで妥当性を確認し,必要な指導助言を行う。
  • 委託手数料率の細分化等による混乱等を防止するため,現行の取扱品目(生鮮水産物,野菜,果実,肉類,花き等)別の手数料率とした。

8.手数料率の固定期間と発足時の特例

届け出られた手数料率は,頻繁な変更を制限するため,最低2年間は固定する。なお,発足時の制度安定を図るため,制度発足時の特例として最低3年間は固定するものとし,築地市場の卸売業者についてはこの期間を5年間とする。ただし,築地市場の同一部類の卸売業者が一致して当該期間を5年とする必要がない旨の申し出があったときは,期間を3年とする。

  • 平成21年4月から適用される手数料率について,築地市場以外の卸売業者については,平成24年4月以降に変更が可能になる。
  • 築地市場の卸売業者については,5年とする必要がない旨の申し出がないかぎり,平成26年以降に変更が可能になる。
  • 申し出は毎年度可能であるが,一度届け出た手数料率は2年間固定するため,たとえば,築地市場以外の卸売業者について,平成24年4月に変更すれば,次回は平成26年4月以降の手数料率変更となり,平成25年4月に変更すれば,次回は平成27年4月以降の変更が可能になる。
  • 築地市場以外の場合,以下の委託手数料届出関係一式を提出しなければならない。
    *委託手数料変更届
    平成23年10月1日~10日まで
    *事業計画書
    平成24年4月1日~平成25年3月31日まで
    *予定貸借対照表
    平成25年,26年,27年の各3月31日現在
    *予定損益計算書:3期分
    平成24年4月1日~平成25年3月31日まで
    平成25年4月1日~平成26年3月31日まで
    平成26年4月1日~平成27年3月31日まで
  • 委託契約約款
  • 事業報告書:3期分
    平成20年4月1日~平成21年3月31日まで
    平成21年4月1日~平成22年3月31日まで
    平成22年4月1日~平成23年3月31日まで
  • 法人税等税務申告書:3期分
    事業報告書と同じ
  • 試算表
    平成22年度,23年度

9.委託手数料の適用開始および届出等の時期等

  • 卸業者が届け出る委託手数料率の適用開始日は,毎年4月1日とする。
  • 卸売業者は,委託手数料の率を知事に届け出る場合,その届出を委託手数料率の適用開始日の属する年の2月1日~10日までに行う。
  • 卸売業者は,事前説明に必要な資料の提出を,委託手数料率の適用開始日の前年の10月1日~10日までの間に行う。

○届出時の書類

  • 委託手数料率届出書
  • 直近の事業報告書
  • 当該手数料の率の適用開始以降3年間の事業報告書
  • 当該手数料の率の適用開始以降3年間の予定貸借対照表
  • 当該手数料の率の適用開始以降3年間の予定損益計算書

○平成21年4月適用にかかる届出は,新制度発足にともない手数料率を従前の料率と同じにする場合であっても全業者が行う必要があるが,その後については変更しないかぎり,届け出る必要はない。

○各卸売業者が異なる手数料率を設定することが可能になるため,すべての出荷者に料率が事前にわかるよう,卸売業者は事前に卸売場・事務所などに掲示して周知することを要する。また,東京都はホームベージに卸売業者各社の料率を掲載することで,周知徹底を図る。

○卸売業者は,2月の届出後,速やかに卸売場・事務所等に掲示して出荷者への周知を図り,混乱防止に努めることを要する。

○東京都は,手数料弾力化後の卸売業者の健全な経営に配慮するため,財務や業務にかかる検査や指導を通じて,経営状況の正確な把握に努める。また,条例,規則等に定める手数料関係規定に違反した場合,必要な監督処分を行うことにより,制度遵守の徹底を図っていく。

10.東京都中央卸売市場卸売業者の主な委託手数料率

卸売業者の販売委託の引き受けについて,その委託者から収受する委託手数料にかかる率については,東京都中央卸売市場条例で定めていたが,平成20年7月の条例改正において,卸売業者が自ら定めて届け出る制度となった。平成21年4月1日からの委託手数料の率は,図表3のとおりである。

図表3

(資料)東京都中央市場事業部業務課
市場 部類 会社名 委託手数料率
築地市場 水産物部 東都水産(株)

大都魚類(株)

中央魚類(株)

築地魚市場(株)

第一水産(株)

綜合食品(株)

丸千千代田水産(株)
100分の5.5
(生鮮水産物およびその加工品)
100分の5.5
(生鮮水産物およびその加工品)
100分の5.5
(生鮮水産物およびその加工品)
100分の5.5
(生鮮水産物およびその加工品)
100分の5.5
(生鮮水産物およびその加工品)
100分の5.5
(生鮮水産物およびその加工品)
100分の5.5
(生鮮水産物およびその加工品)
青果部 東京シティ青果(株) 100分の8.5
(野菜およびその加工品)
100分の7
(果実およびその加工品)
食肉市場 食肉部 東京食肉市場(株) 100分の3.5
(肉類(鳥肉をのぞく))
100分の1.5
(肉類の加工品)
大田市場 水産物部 東京大田魚市場(株)

大都魚類(株)大田支社
100分の5.5
(生鮮水産物およびその加工品)
本社に同じ
青果部 東京青果(株)



東京荏原青果(株)



東京神田青果市場(株)


100分の8.5
(野菜およびその加工品)
100分の7
(果実およびその加工品)
100分の8.5
(野菜およびその加工品)
100分の7
(果実およびその加工品)
100分の8.5
(野菜およびその加工品)
100分の7
(果実およびその加工品)
花き部 (株)大田花き

(株)フラワーオークションジャパン
100分の9.5
(花き)
100分の9.5
(花き)
豊島市場 青果部 東京豊島青果(株) 100分の8.5
(野菜およびその加工品)
100分の7
(果実およびその加工品)
淀橋市場 青果部 東京新宿ベジフル(株) 100分の8.5
(野菜およびその加工品)
100分の7
(果実およびその加工品)
足立市場 水産物部 東京北魚(株)

中央魚類(株)千住支店
大都魚類(株)千住支店
100分の5.5
(生鮮水産物および加工品)
本社に同じ
本社に同じ
板橋市場 青果部 東京豊島青果(株)板橋支社
東京富士青果(株)
本社に同じ
100分の8.5
(野菜およびその加工品)
100分の7
(果実およびその加工品)
花き部 (株)東日本板橋花き 100分の9.5
(花き)
世田谷市場 青果部 東京荏原ベジフル(株) 100分の8.5
(野菜およびその加工品)
100分の7
(果実およびその加工品)
花き部 (株)世田谷花き

(株)東京砧花き園芸市場
100分の9.5
(花き)
100分の10
(花き)
北足立市場 青果部 東京千住青果(株) 100分の8.5
(野菜およびその加工品)
100分の7
(果実およびその加工品)
花き部 (株)第一花き

(株)東京花き
100分の9.5
(花き)
100分の9.5
(花き)
多摩ニュータウン市場 青果部 東京ニュータウン青果(株) 100分の8.5
(野菜およびその加工品)
100分の7
(果実およびその加工品)
葛西市場 青果部 東京千住青果(株)葛西支社 本社に同じ
  花き部 東京フラワーポート(株) 100分の9.5
(花き)

11.おわりに

このようにさまざまな意見はあるが,規制緩和の時代において「委託手数料の弾力化」はスタートした。今後,委託手数料の率については,卸売業者が機能・サービス等取引実態に応じて自らの判断で委託手数料率を設定し,知事に届け出る制度とすることにより,卸売業者の創意工夫を可能とし,市場の活性化を図っていくことになる。
卸売業者の財務の健全性の確保を図るため,卸売業者の委託手数料の率の届出および改善措置命令による委託手数料の変更について,専門的見地から調査を行う「委託手数料届出事項調査委員会」。その果たす役割は,大きいといえるだろう。