会員・部会の研究報告

会員の研究報告

―主婦の食ライフスタイル- 安売り競争が総べてではない!
関東ブロック 近藤 穣

リーマンショック以来の不況で、スーパーはどこも価格競争に走り、デフレ解消の出口が見えない。そのバイイング・パワーで、農業者の手取り価格も大幅に低下しつつある。だが主婦の「食品購入ルートの選択基準」を切り口とした食のライフスタイル分析からすると、主婦の安さ志向の構成比は26.7%と少数派である。 特定セグメント(例えばライフスタイル)→ターゲット→ポジショニングと進むべきマーケティング理論の構築が叫ばれながら、スーパーや飲食店等は一律「安さ」を前面に打ち出すだけのマーケティングになり、自らの首を絞めている。農業者も一部の直売所は互いに売価競争に走っている。これでは逆に品質や珍しさ(個性やこだわり)を求める客の満足から、ますます離れってしまっている。多元的なライフスタイルを意識し、多元的なマーケティングを展開しなければならない。農業の6次産業化や農商工連携事業ではこだわりを通じて付加価値販売を実現しようとしている。

1.現代はコンビニエンスの時代

スーパー出店のため、平成2~19年にかけ主に関東、甲信、東海、大阪、愛媛、福岡、佐賀、鹿児島など全国300地区で売上予測調査をしてきた。リサーチの精度を高めるため1地区40世帯ほどの訪問調査(主婦対象が原則)をし、10,000世帯以上の訪問調査のローデーターを保存している。手書きのためいちいちPCに落とし込まないとクロス分析ができないため、何回となく200世帯ほどのライフスタイル分析を繰り返しきた。 ここで紹介するのは平成16~19年ころの9都県500世帯の分析結果である(栃木を除く関東と長野、山梨、静岡)。特定地域に片寄った分析ではないことを断っておきたい。なおライフスタイルは①親の生き方ほかの家庭環境、②居住地の商業環境などで長年かかって形成されたもので、過去の分析で景気の良し悪しにあまり影響されないことを確認している。なぜなら、デフレで価格全体が下がれば、安さ志向の主婦はさらに下限狙いの買物をし、非価格志向の主婦は「今は安くて当然」として、やはり鮮度や品質、品揃えといった別の価値を追求する。このようにライフスタイルそのものは簡単に変わらない。 ひとまずライフスタイル分析から離れるが、「現代はまさに主婦においてもコンビニエンス、つまり便利性の時代である」。訪問調査では店(非店舗購入もあるためルートが正解)の選択基準について、24因子を上げ複数回答を得てきた。表にC,P,Q,Vとあるのは・・・鮮度・品質志向のQ型(Quality)、品揃え重視で華美な消費志向のV型(Variety)、安さ志向のP型(Price)、便利性志向のC型(Convenience)の意味である。

表-1 食品購入ルートの選択基準別支持率%

表―1で明らかだが、「近い」を筆頭に、買い慣れている、買い易い、駐車し易い、勤め帰りに寄れる、何処かに行くついで、配達、行き易い、運動・散歩かてらに寄れる、長時間営業と24選択因子のうち10因子がコンビニエンス関連である。 そして90%以上の主婦が、TPOに応じこのコンビニエンス因子を取り込んでいる。この支持率合計を100%とした構成比で見たのが表―2である。コンビニエンス因子の多さは、それだけ主婦が家事に、育児に、仕事に、趣味に、レジャーに多忙であることを示す。このため仕事で忙しいはずの兼業主婦だけ取り出して見ても、極端にC因子が多くはならない(数字は後記)。 「近い」と言う因子は店側で解決しにくいが、①看板が目立つ、②駐車場が広く出入りし易い

表-2 選択スタイル区分別の支持率構成比%

③駐車場と店舗の位置関係が良い・・・等で近く感じさせることもできる。「買い易さ」「配達」「営業時間」などは、多様な対応でもっと改善が可能である。 表―2でも安さ志向のP型因子が,Q型、V型よりも少数派である。主婦・ファミリーが対象の昼の訪問調査のため、ヤング、フリーター、単身の勤労者等が含まれてないので、含んだ場合はウエイトが異なるはずだが、主婦やファミリー客を基礎とするスーパー、GMSでは大勢にあまり影響しない。

2.セグメントへの対応が不足

ところで、C因子は90%の主婦が持つ因子とすれば、ライフスタイル区分に含めると区分が成立しない。C因子だけの選択では、C単独型として区分できる。とすると、ライフスタイルは複数の組合せもあってC単独、P、PQ、PV、PQV、Q、QV、Vの8分類になる。9都府県の約18地区500世帯のライフスタイル別の構成比は表―3のようになる。 表―3で分かるように価格志向のP型は4位、PQ型5位、PV型7位、PQV型8位で上位に入っていない。表の註釈のように関連型を括った場合でも、上位からQ型関連、V型関連、P型関連、C単独型の順で、構成比においてもP型は26.7%と低い。むしろ鮮度・品質志向のQ関連型や品揃え志向のV関連型が、構成比で計64%ほどと多数派をなす。

表-3 8スタイル別の構成比%

スタイル別の特徴は、後段で詳細に説明するが、Q型は鮮度・品質本位に考え、野菜はA店、魚はB店、精肉はC店と購入先を選び、かつ専門店、スーパー、総合スーパー、生協、農産物直売所の別なく選択する層である。惣菜は工夫して主に自家で作り、購入度は低い。V型は華美な消費層を含むが、総合スーパー=GMSを好み、惣菜も美味・珍しいとなればデパ地下などで買い進む。P型は20~30代の若い主婦に多い。所得の低さもあって、チラシで動いたり、エブリデ―・ロープライスの店好みである。C型は食生活以外への関心が強く、便利性本位の買物をし、多くの店に対して中立である。  ところで、マーケティングでは「消費の多様化・細分化を考え、特定セグメント(特定ライフスタイル等)をターゲットとしていくべき」とされているが、食品は100円、最大でも2,000円程度のものが多く、かつ顔や外見からスタイルを判断できない。このためスーパーや農産物直売所でも、ライフスタイル分析なしのマーケティングがされてきた。 実際はライフスタイルを意識しないまでも、以下のとおりセグメントに対応している例も多い。また都会でなくむしろ農村において、地産地消のうねりのなかで、Q・V対応の美味・健康・安全・環境等のこだわりを考えた付加価値販売が活発に論じられ、実践されている。 (1)例えばスーパーの中で粗利益率や粗利益生産性の高い精肉では、同じ豚ロース肉100gで輸入98~148円、国産248円、薩摩の黒豚348円と言ったように3通りの品揃えをし、結果的に生鮮3品の中で最も高い粗利益率を実現している。鮮魚でも塩サケ、しらす、たらこ・明太子などはピン・キリの品揃えをし、広い消費に応えている。こうしたセグメント対応が商品全般の販売に及ぶべきである。 (2)優良スーパーとされるヤオコーは、毎日入口の果物の陳列を変え、美しいカップ入で販売をし、季節の果物はほぼ糖度表示をしているし、完熟、木熟、陽当たり、きづっこ(傷っこ)・・・などの表示品も多い。トレーサビリティ品や有機野菜、地場野菜コーナーも設けている。PB商品も多い。イオンの「グリーンアイ」やヨーカドーの「顔の見えるシリーズ」も、こだわり客を対象にしたセグメント政策の1つといえる。 (3)小型スーパーの東京都羽村市の福島屋は道路を挟み、アップグレイドの店とディスカウントの店を持つ。前者では生産者と話し合って育てた「自然農法の米や野菜やその加工品」も多数扱い、手製のPOPで細かい表示もし、ライフスタイルの多様性に対処している。産直野菜をメインとしたレストランやカフェ、洋菓子店、生花店も持ち、コミュニケーションの場(レストランやカフェ)も確保し、多様な切り口で消費者を取り込のんでいる。社長の福島徹氏は「食の理想と現実」(幻冬舎、700円+税)といった著書も書いているくらいだ。 (4)農産物直売所は、いま伸び盛りからやや転換期にさしかかっているが、繁盛店は規格外品の販売を中心とせず、例えば「みずほの村の市場」(茨城県つくば市)の場合、「今以上に良い品を出荷しなければ扱わない。出せば高く売るよう売価設定させる」とし、直売所のブランド化を進めている。調味料や菓子にしてもナショナルブランド品ゼロで、全国の珍しい物ばかりだ。主力の野菜コーナーには毎日7品もの、薄く味付けされた試食品が置かれている。裏の温室では30種ほどのランが売られ、1万円以上の品も多い。また直売所のなかには、地方の一流ブランド農産品ばかり集め、全国に向けギフトとして発送しているところもある。

3.スタイル別の差が何に出るか

生鮮の「安さと鮮度」という単純なにコンセプトで伸ばしてきたスーパーや直売所は、いま軒並み苦境にあるのではないか。経営者が安さだけにこだわるあまり、現場が工夫を怠り、選択幅のない品揃え(品質の幅、珍しさや驚きの幅、売り方や単位の幅)になり、買物の楽しさを奪い、Q型、V型、C型の客を逃がしてしまっている。スタイル別の特性をつかみ、型別の割合にも配慮した地域深耕作戦を取るか、特定スタイルを主たるターゲットとした専門性の高い店にするか選択を迫られている。 記述のライフスタイルは「店の選択基準」を切り口に整理したものだが、別途に設問を設け追調査した結果からすると、スタイルは①GMS(綜合スーパー)の選択度、②料理の選択基準、③惣菜の購入度、④ポイントカードに対する魅力度・・・などと相関性が顕著である。 表―4は「GMSの利用度」を示す。V型は「1ケ所で総べて揃う」「品揃えが豊富」を区分の基礎としているためもあり、家庭内の一番店としてGMSを利用する例が3分の2近くになる。どの家庭も平均すれば4ルート(店舗と配達を含む。食品購入のドラックやホームセンターもカウント)を使っているが、その一番店である。GMSで珍しいものを買うのがV型で、Q型やP型に比し5倍もGMSを選んでいるのだ。中立的なC型はワンストップの便利さもありQ、P型の3~4倍の利用になる。V型の場合は大型店を信じ、安さ、鮮度、品質は「店にお任せ」という感じが強く、部門別の良否を聞いても良く分からない。 食と真摯に向き合いの面では心もとない。Q型は各部門の良否を判断し、物によってGMS、食品スーパー、専門店、生協、直売所と使い分けるので、GMSの比率は大幅に少なくなる。GMSにしても食品スーパーにしても固定化しにくい客と言える。つかめば律儀に来店してくれる。P型は安さを求め買い回るので、Q型並みか以下の利用、C型は中間的である。

表-4 家庭内1番店としてGMSを選ぶ割合% 

「料理の選択基準」へのスタイル別対応は表―5の通りである。見やすいように複合スタイルの表示は省略した。サンプル数が78人と少なく、まだまだ要調査というところだが・・・ (1)Q型は「料理の選択基準」において「健康」「美味」「安全」「季節の味」でトップとなる。食生活と眞剣に向き合う層である。そして「簡便さ」でも支持率1位で、手を抜くところは抜き、全体のバランスに気を使っている。ボリュームや安さは論外といった姿勢である。 (2)V型は「家庭の味」「ボリューム」が1位で、ご主人を中心に据えデラックスな料理の並ぶ食卓が目に浮かぶ。「季節の味」「安全」「簡便」は2位、「健康」「美味」は3位で、健康に配慮した実質的なQ型とは異なる。 (3)P型は、当然ながら安さが突出した1位だが、子供さんの多い層のため健康、美味などが2位に来ており、支持率では安さを上回る。ここでも「安さだけが総べてでない」ことが表現されている。 (4)C型は総ての順位がほぼ最下位だ。食生活以外への関心が高いため、当然の結果と言える。それでも「健康」「美味」などは他と差が少ない。この2つが食生活を支える2大因子と考えておくべきだろう。

表-5 スタイル別の料理選択の支持率% 


4.Q型は惣菜の購入少ない

次に「惣菜を買う程度」を見ると表―6のように、差が大きい。非手作り率=惣菜を買わない比率だ。小数点表示のため100倍して%として見て欲しい。カテゴリー指数は惣菜の17カテゴリーを示し、カテゴリーの何処まで買っているかを指数化したもの。 (1)Q型主婦に「惣菜買いますか」と聞くと、多くはヤナ顔をする。「買うわけがないでしょう」という答えを意味する。しかし無理に聴けば寿司、コロッケ、サラダなど一部の品は必ず買っているが、非手作り=購入率は33%と少ない。カテゴリー指数も連動し、良く買うC型やP型の2分の1かこれ以下である。 この傾向はドライ食品のインスタントやレトルトもの、風味調味料などの非購入に連動すると見るべきだ。カレーは固形、味付けは基礎調味料やコンブ、煮干し、削り節といたもので間に合わすのが普通である・・・近年は必ずしも当たらないが。 (2)C型、P型はほぼ横並び。C型が高いのは便利性のため当然だが、P型が高いのは、食べ盛りの子供さんを擁する20~30代が多いため、食卓の副食のボリュームを考え購入すると見られる。両型とも冷凍食品やインスタント、レトルト品を大いに買い進む層と見てよい。 (3)V型はQ型の1.3倍ほどのレベルである。GMSやデパ地下で、豊富な品揃えのなかから美味いとか珍しいとかの理由で買い進む傾向が見てとれる。同時にワイン、レストラン仕込みの冷食やレトルトにも手を出す層である。 

表-6 惣菜購入のスタイル別程度 

最後になったが、「ポイントカード」については、サンプル数が78人と少ないため、複合型を含むグループの比較である。「ポイントカードは大きな魅力」とする割合は、P型の「安さ」と連動すると思う人が多いはずだが、表―7のようにノーである。 P型が最も低くなる。「ポイントを1~10点もらうよりは、店を回り20~50%も安い特売品や目玉商品を拾うか、安いエブリデー・ロープライスの店を利用するほうが得」となる。 逆にQ型の場合は、鮮度・品質の良い店にコツコツ通えば、ポイントが自然に貯まり得だ」ということになる。そしてQ>V>C>P型の順になる。これと連動し「何倍といった倍額セールの場合、その店を利用するか」の回答もほぼ同じ傾向である(共に構成比%)。もっともQ、V型でもポイントに無関心な主婦も多く、2極化していることも知って欲しい。 ところで顧客の顔にスタイル別の名は書かれていない。しかし、所得との相関性も強く、ライフステージ(年代)と連動する場合が多く、年齢別対応が半ばスタイル対応になる。例えばP型は所得の低い20~30代主婦に多く、Q型,V型は所得の高いとか安定した40代後半~70代に多い。C型は妊娠中や幼児を持つ主婦から、パートに出ることの多い中年、身体能力の衰えた高齢主婦と全体にまたがる。

表―7 ポイントカードやその倍額セールの魅力

平成21年10月時点の日本の人口構成は、45才以上が49%、約半数である。所得も比較的高く、高度成長期を過ごし豊かさを経験した人も多い。このためQ型、V型、QV型も多いいわけで、豊かさを持つ熟年・高年マーケットを意図的に開拓することが、安さ競争から抜け出す道である。 アンケート調査やポイントカードのデーターを利用し、年齢比率をつかみ年齢別の対策を考えるのが有効である。また商品1品ごとにライフスタイルの顔を持つと考え、記号化してPOSに登録できれば、さらに細かなスタイル対応のインストアプロモーションも可能になる。 小商圏を深く耕す必要がある場合、特に惣菜部門のように目先を変化させ、飽きられないよう努力すべきである。某小規模スーパーでは、売れ筋の定番品は別に置き、表-8の通りマトリックス的な表を作り、日々16品をとかえひかえ月間ローテイションにしたがい提供し、1品で数万円売ることに成功していた。経営主はデパ地下でメニューのヒントを探し、これを奥さんが自店に合った味付けで提供したのだ。経営主は「1ヶ月分のメニューは準備できる」と自慢していた。もちろん月に4回、5回と登場するものもあった。また「珍品」は初の開発品で、売れるとなればローテイション入りさせる品である。

表―8 セグメント対応を考えた惣菜の計画販売

顧客は家庭料理のように毎日変わった品を得られ、店側は安売りせずに「本日のお勧め品」として、適正利益もあげることができる。ABC分析のB、Cランク商品をAランク品並みの販売にして、ロスを出さずにすむことになる。 少なくとも選択因子のアンケートを取るか、ポイントカードを利用し、自店のスタイル構成比をつかみ、力点と分散に留意してマトリクスにしたがい、スタイル別の魅力品の提供を考えるべきだ。青果、精肉、鮮魚、惣菜はもちろん、日配、ドライ食品、菓子に及ぼし、安さ以外の魅力で集客する努力が大切である。

5.スタイル別の特性と対応

最後に基本スタイル4つの特徴を、その他の要素も踏まえ再度紹介することにする。
C単独型
  C型は年齢において全世代にまたがり、平均的には1人当たり食品他の消費力は低位。世帯人員は中位。選択店数は少なく、固定客になり易い。 食を大切にするタイプではなく、便利性本位に考え、表-3の通り料理選択の総ての要素で最低レベルである。仕事が忙しいというよりは、価値観の主たる対象が仕事、スポーツ、趣味など他にあるためと見るべきだ。 惣菜だけでなく、インスタント食品、レトルト食品、各種のだし汁、たれ汁なども買い進むと見る。スーパーでも夜間営業、商品以外のサービスなどコンビニ要素をコンビニ並みに導入すれば有効である。今後は高齢層のC単独型の厚みが増すため、食品スーパーや専門店も、高齢者向きのコンビニ要素を強化することが望まれる・・・小口パック、小容量調味料、歯にやさしい食材・惣菜、趣味のための各種参考本やコピー機、宅配便窓口などだ。  なお「兼業主婦はC単独型」と考えがちだが、これは間違いある。それほどC単独が多いわけではない。専業主婦のC単独型比率が8.6%、パート主婦が11.8%、自営・正勤務主婦が18.8%で、兼業主婦のC単独率は専業主婦の2倍以上になるが、しかし兼業主婦の88~82%はC単独型ではない。仕事が忙しくても、必死に食を大切にする兼業主婦が圧倒的に多いのだ。
P型  年齢は20~30代に多く、平均的には1人当たりの食品消費力は50~60代の60%以下と低位だが、世帯人員が多く1世帯消費力では中位。安さを求め買い回るため選択店数は多く、固定客になりにくい。だがスーパーでもエブリデー・ロープライスに徹すれば確実に固定化できる。表-5の通り「料理の選択基準」では安さにおいてトップだが、健康とか美味、季節の味などにも配慮している。安さ+アルファーの要素にも注目すべきだ。安さだけの訴求で100%の成果は期待できない。 子供さんのが多い層であり、「子供さんの好きな料理」(上位よりカレー、ハンバーグ、ラーメン、スパゲティ、ステーキ、焼き肉、寿司、グラタン、シチュー、サラダ類、その他焼きそば、サンド、ハム等)に関係する商材、インスタントラーメン、菓子、アイス、デザート、アイス、弁当のオカズ向き冷凍食品などインプロに留意すべきだろう。

表-9 スタイル別3要素の平均値

Q型  所得も高くなる40代から70代まで広く分布する。平均的には1人当たりの食品他の内食支出は最高レベルで、世帯人員は子供が独立した家庭も多いため少ない。選択店舗数は最も多い。GMS、食品スーパー、専門店、生協、直売所などを問わずカテゴリーごとに鮮度や良い品質の店を選び、買い回るため固定化はしにくい。鮮度、品質、安全などに軸足を置いたコンセプトの店なら別である。今後は、Q型にシフトした食品スーパーも増えるはずだ。  家族の健康、美味しさ、安全、そして簡便性まで総合的に考える、食の豊さと真剣に向き合うスタイルである。鮮度・品質志向のSMとすればQ型に支持されることが固定客の増加につながり発展の鍵である。食品専門店においてもQ型の支持があれば存続可能だ。  Q型は惣菜を最も買わないスタイル。だが簡便化にも留意する層だ。「家庭の味を凌ぐ美味なものを、食卓にもう1品」と提案すれば充分受け入れられる。  ところでQ型に含まれているS単独型(食の安全本位)は生協組合員が90%以上で、平均すると生協ルートの家庭内シェアは58%ほどである。残り42%は一般SM他で購入している。S単独型は4.0%と少ないが、Sが付く他の型(総べてQ関連型)を含めると全体の13.7%になる。
V型  所得の高い60~70代に多いが、絶対数は少ない。1人当たり内食支出力はQ型とほぼ同じで、外食まで含めばQ型を上回はず。所得ではQ型を上回るアッパー層が多く含まれる。GMS中心で、デパートでの買い物や外食も好む。選択店数はGMS中心のため少ない部類。食品スーパーではでは珍しいとか、高級なこだわり品まで品揃えを広げないと固定化しにくい。 GMSやデパ地下で、珍しいとか美味なものがあれば、惣菜も買い、ドライ食品、菓子、酒類でも、美味な地方ブランド品、高級品、輸入品などを買い進み、アップグレイドの食品スーパーも利用している層である。 高度成長-バブル期といった良き時代を経て停年を迎えた世代は、かなり豊かさがしみついている。堅実な消費だけでなく華美な消費もしてきた。このためQ型、V型だけでなくQV型も多い。安さだけが総べてでないことを、再認識して欲しい。 標準型の食品スーパーにおいても、地方発のブランド品、非ブランドのこだわり品にも注目し、こうしたコーナーを今後育てて行くべきだ。筆者は農業関係のコンサルタントでもある。農業の6次産業化、農商工連携事業で生まれる地方発商品のためにも、こうした取組を推進して欲しい。(終わり)