先進農業探訪

先進農業事例

惣菜製造・販売業 (株)知久の農業参入
角田智生(関東ブロック)

◎中小企業の農業参入事例

本誌の平成20年7月号と8月号に,「中小企業等の新規農業参入ガイドQ&A」を前後編に分けて連載した。そこで,実際に農業に参入した中小企業である株式会社知久(本社:静岡県浜松市)を訪問して,取材した農業参入の事例を紹介する。

中小企業が農業に参入するには,次の4つの方法がある。

  1. 農業生産法人として農地を取得,または借り受けて農業経営を行う方法
  2. 農業生産法人以外の株式会社等が市町村などの取り組み主体による特定法人貸付事業の農地リース方式により,農業参入が認められる方法
  3. 農地の権利を取得せずに農作業を受託する方法
  4. 農地を利用しないで農業(養鶏や野菜工場など)を行う方法ここで紹介するのは,2.特定法人貸付事業の農地リース方式により,農業に参入する事例である。

◎事例企業の農業事業への参入と導入目的等

(株)知久(ちく)は,今まで農産物の契約栽培により減農薬,無農薬,有機栽培の農産物を材料として使用することを進めてきた。その比率は,85%以上のレベルまで達してきた。この試みを進めるため,自社で責任を持って栽培する農業を行いたいと考えている。まずは(株)知久の使用する野菜すべてを有機野菜にするため,農業事業に参入した。

農業事業への参入目的は,次のとおりである。

  1. 食材への理解を深める
    当社が農業事業に参入することによって,より安全な食材を利用した,からだによいおいしい惣菜を直接お客さまに提供することを推し進める。自然農法を手本とし,地域農家の方にこの試みを紹介することにより,私たちの考え方に同調していただける農家の方が1人でも増えることを願っている。
  2. 日本の食料自給率向上への貢献
    近年,農産物の国際相場が上昇している。中国は人口増加により,一部農産物は輸入国に転じた。また,気候変動により,世界各地で農業が大きな影響を受けている。さらには,乱獲による海洋資源の減少も進んでいる。BSE,鳥インフルエンザにより,畜産物の輸入コストが上昇している。食料自給率が40%にすぎない日本は,身近にできることを地道に実行していく必要がある。
  3. 福祉事業としての展開
    農業という仕事の特徴として,幅広い年齢の方々にも参加してもらえる。定年退職した方や,心やからだに障害を持った方にも,それぞれに応じた働き方を提案する。自然のなかでの農作業は,心とからだの健康にもよいと考える。事例企業のコンセプトは,「地域の食卓に健康とおいしさを!」である。
    * すべて自家製(化学調味料・保存料・添加物は未使用)
    * 材料(素材)の厳選(無農薬・低農薬野菜,天然調味料)
    * (株)知久が最終消費者となる循環型流通投稿

◎事例企業の概要・沿革

【概要】

  • 企業名:株式会社知久(屋号:知久屋)
  • 本社所在地:静岡県浜松市西区桜台
  • 設立:昭和32年
  • 資本金:6,600万円
  • 代表取締役社長:知久利克
  • 従業員数:504名(男性66名・女性438名)
  • 売上高:38億円
  • 農業売上高:1,800万円(平成19年度)
  • 農業従事者:7名(社員3名,アルバイト4名)
  • 主な作物:大根,にんじん,小松菜,たまねぎ,かぶ,日本ほうれん草,じゃがいも,かぼちゃ,なす,葉ねぎなど
  • 事業内容:惣菜類・米飯類の製造および販売,レストラン経営,介護施設での食事事業
  • 主要取引先:(株)主婦の店,(株)富士屋,たつみストアー(株),(株)スーパーオカノ,(株)遠鉄百貨店,花平ケアセンターほか
  • 取引銀行:三菱東京UFJ 銀行,浜松信用金庫,清水銀行,静岡銀行,(株)商工組合中央金庫,(株)日本政策金融公庫

【沿革】

  • 昭和32年7月合資会社知久食料品店として故知久藤吉が開業
  • 昭和52年10月そうざいや1号店オープン
  • 昭和59年5月本社工場新築
  • 昭和61年7月合資会社から株式会社に移行
  • 平成4年4月第2工場新築
  • 平成11年10月本社工場移転新築
  • 平成14年4月介護施設内の食事サービス事業開始
  • 平成15年6月路面店10店舗目開店
  • 平成17年4月農業事業スタート

◎中日新聞(平成17年7月17日朝刊)掲載記事より
=農業特区に「知久」参入=浜松市農業委許可,遊休農地で営農=

株式会社など企業が農業に参入できる浜松市の農業特区制度で,総菜・弁当製造販売の知久(浜松市西区桜台,知久利克社長)の参入が決まった。15日に開かれた市農業委員会総会で,同社が申請していた農地の賃借が決まった。農業特区は遊休農地を企業が利用して農業を行うことで,農業の活性化や地産地消の推進,新たな担い手の育成などを目指す制度。国が認定する構造改革特区として浜松市が導入の名乗りを上げ,今年3月に静岡県内で初めて認められた。企業側は8社が参入の意向を示していたが,決まったのは知久が第1号となる。

同社が農業を行うのは同市湖東町,伊左地町,呉松町にある5ヵ所の畑で,計10,330m2。牛ふん堆肥などを利用した無農薬・無化学肥料でダイコンやニンジン,ジャガイモ,ナスなど農作物を生産する計画。既に食品残物を堆肥に一次加工する装置も稼働しているといい,今回の許可を受けて農業経営を早速始める予定。「生産した作物を惣菜や弁当に使うとともに,農業を実践してノウハウを学ぶことで,今後の農家への注文にも役立てたい」としている。

市では同社が市の認定農業者の資格が取れるよう,引き続き支援していくという。

◎浜松市の地域概要と「元気なはままつ農業特区」

浜松市の農業は,温暖な気候や東京と大阪の2大消費地の中間に位置するという恵まれた立地条件などに支えられ,全国でトップクラスの農業算出額を誇っている。しかし,浜松市の平成17年の総農家数は14,968戸で,5年前に比べ1,346戸(8%)減少した。また,農家人口は減少傾向にあり,農業従事者の高齢化も進んでいる。さらに,2005年センサス(平成17年)によると経営耕地面積は平成7年から平成17年の10年間で1,689ha(16%)減少する一方で,耕作放棄地面積は118ha(11%)増加している。

こうしたなか,浜松市では平成17年3月に「元気なはままつ農業特区」の認定を受け,一般企業からの農業参入を進めることにした。

「元気なはままつ農業特区」の申請経過は,次のとおりである。

  • 平成16年6月
    「特区,地域再生,規制改革,民間開放集中受付期間」に,(株)知久の農業事情についての要望書を内閣行政改革推進室に提出
  • 平成16年8月
    静岡県・浜松市が窓口になり,特区に向けての検討会を開催
  • 平成16年11月
    浜松市の農業特区「元気なはままつ農業特区」の申請決定
  • 平成17年3月
    国より浜松市の農業特区許可。今後5年後をメドに50ha を目標として農地を拡張


*都道県名:静岡県
*申請主体名:浜松市
*区域の範囲:浜松市の区域の一部(農業振興区域内の農用地区域)
*特区の概要:浜松市の農業を取り巻く環境は,都市化の進展・農業従事者の高齢化や担い手の不足に伴い,遊休農地が拡大している。近年は,農産物に対し安全性や新鮮さを求める消費者の増加などにより,「地産地消」や「環境保全型農業」への関心も高まっている。新しい担い手の参入による農業就業形態の多様化とあわせ,ものづくり産業などの異業種からの農業形態により,地元でつくった安心・安全な農産物を地元で加工・販売・消費する「地産地消」や「環境保全型農業」に取り組む都市型農業で,浜松農業の活性化を目指す。
*適用される規制の特例措置:農地貸付方式による株式会社等の農業経営参入の容認。

◎特定法人貸付事業と農業経営基盤強化促進法の主な改正点

中小企業が農業に参入することについては,構造改革特別区域法により「元気なはままつ農業特区」(認定日;平成17年3月28日)の名のもとに取り組んできたが,農業経営基盤強化促進法の一部改正に伴い,9月1日から「特定法人貸付事業」として企業の農業参入が可能となった。

平成17年9月の法改正により,担い手に対する農地の利用集積を加速化するとともに,リース特区の全国展開を実施するほか,増加傾向にある耕作放棄地の解消・防止策の強化を図っていく。

農業経営基盤強化促進法の主な改正点は,次のとおりである。


* 体系的な遊休農地対策の整備
* 担い手に対する農地の利用集積の促進
* 浜松市の「農業経営基盤強化の促進に関する基本的な構想」における特定法人貸付事業の追加

  • 浜松市の特定法人貸付事業の実施地域遊休農地等の要活用農地12,115ha(農業振興地域15,457ha のうち,認定農業者等担い手に利用集積が図られている3,342ha を除く地域)
  • 特定法人貸付事業の実施主体:浜松市が実施

◎特定法人貸付事業の主な参入要件

  • 農業に従事する役員が1人以上いること(年間150日以上農業に従事)
  • 市と参入法人の間で協定書を締結すること(地域農業との協調,原状回復の連帯保証人等を明記)
  • 市の農業施策に基づいた事業展開に努めること
  • 自治会等地元と協力して地域密着型農業に努めること
  • 周辺住民,農家に迷惑をかけないこと
  • 市税を完納していること
  • 借入面積は,30a 以上とする。ただし,関係農業委員会の下限面積がそれ以上の場合は,農業委員会基準以上
  • 通作時間は,おおむね1時間以内

*特定法人の要件…その法人の業務を執行する役員のうち1人以上の者が,耕作に常時従事し,協定にしたがい事業を行うと認められる者

◎特定法人貸付事業への参入までの流れ

  1. 事業計画書等の書類受理
  2. 特定法人貸付事業推進調整検討会(事務局:浜松市農林水産部農業水産課)
  3. 農家と市との賃貸借契約締結
  4. 市と参入法人との賃貸借契約および協定の締結
  5. 農業委員会等への利用権設定申出
  6. 地区調査会
  7. 農業委員会総会(農地利用集積計画または農地法第3条許可申請の審査)
  8. 農地利用集積計画の公告(農業委員会の決定を受け)
    ※ 契約開始日利用権:公告日から

    【参入以降】
  9. 事業実施状況報告(事業開始3年間は四半期ごとに,4年目以降は年2回)
  10. 事業年度実績報告書提出(毎年)

◎特定法人貸付事業推進調整検討会の開催

【目的】 本事業を希望する法人の実施計画等が,安定・継続して農業経営を行うことが見込まれるか,連携している機関とともに審査・調整を行い,参入可能か検討する。
【構成員】 農林事務所,農業委員会事務局,農業協同組合,農家代表,浜松市
【開催】 検討会の開催は,必要案件ごとに行い,各地域に該当する構成員の参加により実施する。
【事務局】 農業水産課が実施※実施計画承認後は,担当区役所で事務処理を進める。
【その他】 1.賃借期間3年・6年・10年で選択(状況により20年も可)。
2.農地所有者の確認をとること。

◎株式会社知久の現在の農業参入状況(平成20年4月末現在)

企業名 株式会社知久(惣菜の製造・販売業)
合計貸付面積 27,339m2(農業特区にて実施)
貸付面積 10,330m2 6筆
作付作物 大根,にんじん,じゃがいも等
貸付面積 1反当たり12,000円/年(標準小作料に準ずる)
参入日 平成17年7月15日(農地法第3条許可日)(特定法人貸付事業にて実施)
貸付面積 13,910m2 23筆
作付作物 大根,にんじん,たまねぎ等
貸付面積 1反当たり11,000円および9,000円/年(標準小作料に準ずる)
参入日 平成18年3月15日(農地法第3条許可日)(特定法人貸付事業にて実施)
貸付面積 3,099m2 1筆
作付作物 さつまいも
貸付面積 1反当たり12,000円/年(標準小作料に準ずる)
参入日 平成19年4月20日(農地法第3条許可日)

農業事業を開始して3年あまり,平成20年9月末頃の農地の風景。

 

 

◎新たな特定法人貸付事業参入の日程および確認事項

浜松市では,平成20年4月末日現在,特定法人貸付事業参入法人数は当社を含めて4社,参入面積は45,334m2,44筆である。

当社は,特定法人貸付事業に新規参入して約3年を経過しているが,このたび,新たに貸付面積40,000m2(4ha)の農地を賃借して,特定法人貸付事業に参入することを決めた。

平成20年8月29日に改良区役員会があり,9月26日に農地所有者説明会が開かれて,農地提供者が確認された。平成21年1月頃の公告日から農地利用が開始される予定である。

項目 提出期限 日時 内容
改良区役員説明会     月  日  
農地所有者説明会     月  日 農地提供者確認
事業計画書 毎月15日   法人より農業水産課へ
事業推進調整検討会 毎月25日   事業計画の審査
農家と市契約締結     1.土地賃貸契約書
2.利用権設定関係書類
3.土地賃貸借料請求書
利用権設定書類提出 毎月10日   区産業振興課へ
農業委員会総会 毎月15日    
利用権設定公告 毎月20日    
農地利用開始 公告日より    
参入後実施状況報告 3ヵ月ごと   区産業振興課へ
参入後年度実施報告 毎年1回   区産業振興課へ
賃借料(農家⇔市⇔法人) 円/10a   農業委員会標準小作料
庄内地域12,000円/10a
申請手続き     利用権設定で進める
賃貸期間 6年   3・6・10年より選定
用水使用料等     土地以外の使用料等は農家と法人とで契約
権利設定の確認     抵当権等の権利設定のないこと
所有者確認     共有,未相続の場合,権利者すべての承諾(印)が必要
市と法人契約締結     1.土地賃貸契約書
2.利用権設定関係書類
3.協定書

特定法人貸付事業で新たに賃借した4haの有休農地を自己所有機械(トラクター)により,畑地に復旧中。

有休農地を畑地に復旧するため堆肥を投与し,1年間は土壌改良のため緑肥を植栽,2年目から作付けを始める。

◎これまでの(株)知久の農業事業

平成17年4月からスタートした農業事業は現在3年あまりを経過した。これまでの作付作物や栽培時期等の状況について,当社のホームページから野菜の栽培過程を紹介する。


【平成18年10月頃】秋~冬栽培中の野菜

大根:9月中旬に種をまいた大根が大きくなる。畑に青首大根とたくあん用大根を半分ずつ植えた。11月中旬より,おでんやふろふき大根に変身してお店に運ぶ。たくあんは冬の寒い風で天日干して,年末頃から出荷する。
にんじん:大根と同じ日にまいた。からだは小さいけれど,大根の2倍近く生育期間がかかる。年明け頃に甘くておいしく真っ赤になってから収穫予定。
小松菜:知久屋の小松菜は大きい。大きいほうが味も栄養もよく,お客様に召し上がっていただくときにちょうどよい硬さ(市販の葉物はゆでると溶けちゃう?)。ごま和えや白和えで販売中。
たまねぎ:9月中旬に種をまき,今は苗床で育成中。11月になったら畑に定植する。収穫は来年の6月。種まきから収穫までたくさんの日数がかかる。紫たまねぎと普通のたまねぎを2万5千本ずつまいた。


【平成18年11月頃】秋~冬栽培中の野菜
たまねぎの苗:苗床に9月上旬に種をまき,2ヵ月経つと万能ねぎのようになる。この頃は,たまねぎの面影はない。たまねぎ植え付け:障害者の人たちとたまねぎの苗を定植した。海に近いこの圃場は,風が強くとっても寒い。3月まではほとんど成長せずに,春の暖かさとともに急激に成長する。6月前後,たまねぎの葉が倒れたら収穫する。大根の収穫:地元中学生による職業体験。彼らが重そうに大根の収穫を始める。おでん,ふろふき大根,ぶり大根,豚肉との煮付け,サラダなど,年明けの2月まで知久屋の全部を自社農園の大根で賄う。
かぶ:11月上旬より,かぶを収獲している。市販されているかぶは「小かぶ」,わが社のかぶは「中かぶ」。京都の千枚漬けは「大かぶ」。寒さとともに甘さが増してくる。現在,各店舗でぬか漬けにして販売中。


【平成18年12月頃】秋~冬栽培中の野菜

切干し太根:青首大根をカットして天日干ししている。今年は暖かく,北風小僧がどこかで道草を食っているようだ。寒い風が強くなると,より質のよい切干しができあがる。
たくあん:今年のたくあん大根は,とにかく長い。1m 近くの大物が採れている。土の中に60cm くらい埋まっていて人力で抜く。2時間応援に来た人が泣きそうになっていた。


【平成19年1月頃】秋~冬栽培中の野菜

にんじん:9月中旬に種をまいたにんじんが収穫できた。寒さにあたり甘みも増してきた。化学肥料や農薬を使わずに育てるとこんなにおいしくなるのかとびっくりしている。にんじんがいちばん味の違いがわかる。
日本ほうれん草:忍者のまきびし? これは日本ほうれん草の種。最近のほうれん草の種は普通の丸いタイプである。西洋ほうれん草との混血で,病気になりにくかったり,種蒔きがしやすい,収量が多いなど改良されてきた。味に関しては無視され,市場で日本ほうれん草を入手するのは困難である。ほうれん草の旬は,9月~10月に種をまき,冬場が本当の旬。寒さで葉は寝てしまうが,肉厚で味があり,根が真っ赤なほうれん草がもうすぐ収穫になる。


【平成19年4月頃】春農繁期

じゃがいも:じゃがいもは,2月の上旬に種芋をカットして植えた。早出しの農家で1月に植え,地際にビニールマルチ,さらにトンネルを掛ける。今年は,暖かいのでもう芽がでてきた。市販の新じゃがいもが終了した頃,収穫が始まる。
たまねぎ:11月上旬に定植したたまねぎが,やっとふくらみ始めた。9月に種をまき半年経ってまだ「ねぎ」。これから2ヵ月で「たまねぎ」に変身する。
かぼちゃ,なす,いんげん:苗場では,かぼちゃ,なす,いんげんが芽を出し,順調に育っている。種をまいてから芽が出るまでは,毎回,非常に緊張する。土を割って芽が出たときは,毎回,他人にみられないように小踊りをした。


【平成19年11月~12月頃】春収穫期

たまねぎ:11月中旬よりたまねぎ苗の植え付けが始まる。冬の間はまだ「ねぎ」の状態である。これから春にかけて少しずつ成長し,6月頃,このねぎの葉が横に倒れたら収穫する。
ほうれん草:日本ほうれん草が順調に成長している。よく出回っている西洋ほうれん草と違って,葉っぱのふちがギザギザしている。大きくて味もすごく濃い。
大根:順調に大きく育っている。12月に入り,冬の風が吹き始めたら,切干しとたくあんの天日干しが始まる。


【平成20年1月】冬収穫期

大根:遠州のからっ風と呼ばれる冬の乾いた風で,収穫した大根を天日干ししている。太陽の光をたっぷり浴びて,大根の甘みが倍増する! 農薬・化学肥料を一切使わずに育てた大根が,無添加のたくあんになった。大根の甘みが楽しめる素朴な味わいだ。
かぶ:冬の寒さで畑の野菜たちに甘みがのってきた。みずみずしく,甘みたっぷりなかぶは,和え物や漬物になって店頭に並ぶ。
日本ほうれん草:自慢の日本ほうれん草,今年も立派に育った! 葉の味の濃さはもちろん,根元の部分の甘みは格別!


【平成20年4月】春農繁期

じゃがいも:種じゃがいもの植え付けをしている。種芋を各片に芽がつくように1/6くらいにカットして植え付ける。2月上旬から始めた。植え付けた種芋に土寄せをして,黒マルチを前面に被覆した。春の暖かさで,あと数週間で発芽してマルチを持ち上げる。芽の部分だけマルチを破く。5月後半に収穫の予定である。
たまねぎ:9月に種をまき,11月に定植したたまねぎ。寒い冬にじっと耐え徐々に成長してきた。3月後半からぐんぐんと葉が伸び,その後に根元が膨らんでくる。5月後半から6月が収穫予定だ。ほうれん草・葉ねぎ:春が少しずつ近づいてきているが,まだまだ寒い日がある。ビニールトンネルを掛け,4月に収穫できるよう,ほうれん草と葉ねぎの栽培を始めた。


【平成20年5月】春農繁期

たまねぎ:たまねぎの収穫が近づいている。まずは,紫たまねぎから収穫だ。中生(ナカテ),晩生(オクテ)と続く。5月の上旬から5月いっぱい収穫が続く。
じゃがいも:2月に植えたじゃがいもも花をつけ始め,収穫が近づいてきた。4~5cm の玉が4~5個ついていた。5月下旬から収穫が始まる。


【平成20年6月~7月】初夏

たまねぎ:たまねぎを天日干ししている。収穫時には,玉のうえの茎のなかに水分がたまっている。その水分を干してあげると,たまねぎは休眠に入り保存が可能になる。梅雨で天気が安定せずなかなか乾かないが,畑いっぱいに並んだたまねぎの道は,一見の価値がある! たまねぎ街道に並んでいるたまねぎ,実は巨大たまねぎがゴロゴロ,ひとつで650g 超もある。ソフトボールくらいのサイズがある。
じゃがいも:じゃがいもの収穫も終期を迎えている。梅雨の間の晴れ間を狙って収獲している。コロッケやポテトサラダに変身して,お店に並んでいる。
葉ねぎ:じゃがいも,たまねぎの収穫もほぼ終わり,一服したいところだが,葉ねぎの出荷が始まる。今年になって初めて栽培し,初出荷が近づいている。手前の花はマリーゴールド,夏に花壇でよく見かける花だ。臭いがあるので虫除け効果があるといわれている。


野菜の栽培:9月中旬に種をまいた大根の芽が出始めた(9月下旬)。
 

◎環境保全への取組み

環境に配慮した取組みとして,当社では生ゴミの堆肥化を行っている。当社工場やお店から出る生ゴミを回収し,専用の機械で微生物発酵して堆肥にする。でき上がった堆肥は,自社農園で利用するので「農産物→材料→堆肥→農産物」という循環サイクルを構築している。生ゴミから堆肥をつくることにより,これまで専門業者に委託して焼却処理をしていた生ゴミを資源として再利用している。環境に負担をかけず資源を有効に利用する方法として,食品を扱う企業の模範となる取組みであると考えている。