一般社団法人 農業経営支援センター


イシグロ農芸(有) 「くくむ農園訪問記」
東海第3ブロック  中島 静吾


<イシグログループ概要>

イシグログループは愛知県豊橋市に本拠を置き、農薬等の卸販売を行う潟Cシグロ製薬所、農業資材を扱うイシグロ農材梶A野菜・花きの生産・販売を行うイシグロ農芸汲ネど7つの会社から構成されています。
施設園芸の本場、渥美半島を中心とした東三河地方に立地し、ハウス・温室の栽培設備や肥料・農薬・各種資材を取り扱い、園芸生産者への情報提供も含めた「トータルアグリカンパニー」として経営を行っています(会社案内より抜粋)。

<イシグロ農芸 くくむ農園の見学>

トマトの栽培施設を見学しました。トマトの栽培施設は、平成16年より、プロの農家に栽培〜販売までトータルで提案できるモデル農場として作られ、今回平成18年に増設した施設を拝見しました。
○高機能トマトを“連続摘芯栽培”
・中玉の「カンパリ」という品種でヨーロッパでは中玉で最もポピュラー。
・食物残渣をださない、ゼロエミッションが基本。
・連続摘芯栽培という栽培方法によって作られている。わき芽を利用し、適芯と捻枝によって長期間の多段取りが可能。
・節水多肥管理で高糖度を実現。
・従来からある農場ではJGAPの認証をもらっている。
・化学農薬の減農薬に努め慣行より5割減は達成している。7割減までは可能だと考える。
・現在は4ヶ所計4500坪の栽培施設で社員6名パート23名で経営。

<試験農場の見学>

試験農場では自社の設備・資材の試験を行っています。新商品・新技術を実際の栽培に導入して評価し、フィードバックしています。試験用のハウス7棟のうち、6棟を見学させていただきました。
○A棟・・・中玉トマトの土耕栽培による、土づくりとIPMの試験研究
・土づくり(ミネラル農法)の研究を行っている。
・IPM(総合的病虫害管理)の試験研究を行う。生物的防除、化学的防除、耕種的防除、物理的防除を矛盾無く組み合わせる病虫害管理。化学農薬は7〜8割減。
・自社製品である複合環境制御盤を導入している。制御盤により施設内の各種センサー、機器をコントロール。温度・湿度の設定だけで最適環境を実現できる。
事務所PCや携帯電話からの遠隔操作ができる。

○B棟・・・オオバ袋培地栽培
・土壌汚染が問題となるオオバを袋培地栽培で隔離栽培する。
・袋の培土の寿命は5年(袋フィルムの寿命による)。
・袋の中の水分はセンサーで吸収分だけ補充、排液はでない。

○C棟・・・ガーベラ袋培地栽培
・土壌障害が出やすいガーベラを袋培地で栽培する。
・ロックウール栽培やココバック栽培、土耕栽培と比較しながら栽培。
・ベンチを組まず土耕の畝を利用し、地温を活かす方法も行っている。

○D棟・・・イチゴ高設ベンチ栽培での土壌改良剤の試験
・「紅ほっぺ」「ゆめのか」の2品種で試験。
・土壌改良剤を入れた試験区と無処理区とを比較、5年目の培土では生育に大きな差がでた。
・天敵農薬の試験も行っている。

○E棟・・・トマト袋培地栽培での各種試験
・大玉トマトを使用、袋培地栽培の実践。
・水分センサーの実用試験を行う。異なるpF値(土壌の中に含まれる水の吸引力)での糖度実験など。

○F棟・・・メロン袋培地栽培→作付終了後につき見学せず。

○G棟・・・リフォームベンチで葉菜の水耕栽培
・鉢物用のメタルベンチを利用した水耕栽培のシステムでチンゲンサイを栽培。
・既存のベンチを利用することでシステムの投資額が通常坪5万円のところ1万円に。

ハウス栽培において、優位性をもたらすであろう各種の手法が実験的に取り組まれており、大変勉強になりました。簡単な報告では説明し切れませんでしたが、様々な先進的な取り組みを一度に見ることのできる機会として、ぜひ見学をされることをお勧めします。

中島 静吾 seigo-n@aurora.dti.ne.jp



 
Copyright (C) 2006 農業経営支援センター. All Rights Reserved.