農業をするには広大な土地が必要で、農地の確保が必要不可欠です。
野菜などを育てる畑は宅地でもできますが、ビジネス規模で広い土地を活用する場合は、土地の価格と固定資産税が安い農地を使わないと商売が成立しません。
そして、農地を使うには農業委員会の許可が必要です。
農地を確保する方法としては、土地を購入する「取得」と、賃貸契約で「借りる」方法の2種類があります。また、農業の規模によっては農業委員会への届け出が必要だったり、地目変更で厳しい審査などを受ける場合があります。それぞれの方法について特徴や注意点を詳しくまとめてみました。
個人が農家に転身するなど小規模の起業であれば、元から農地だった場所を使うようにしてください。
地目変更で宅地や山林などを農地へ変更することも制度上は可能ですが、かなり厳しく審査されます。
宅地の広い土地を持っていた場合、それを農地へ地目変更すると土地の評価額が大幅に下がる可能性があります。
また、宅地から農地へ変えた土地を再び宅地へ戻す際は、より厳しく審査されるので注意しましょう。
地目変更は難易度が高くて専門的な知識が求められる方法です。
日本は後継者不足で農地が余っているため、元から農地だった土地を使う方法がおすすめです。反対に、農地以外の土地を農地にしようとすると、審査が厳しいうえに評価額も下がるためデメリットの方が大きいと言えます。
農地を確保する方法は大きく分けて取得と借りるの2種類です。
借りる場合でも農業委員会の許可が必要ですので、費用のことを中心に検討しましょう。
取得した方が開業後に利益を出しやすいですが、取得費用がネックになります。
また、借りていた場合は農業を辞める際に解約するだけで終わりますが、取得していた場合は農地を売らないといけません。
農地は買い手が見つかるまで長期間かかる傾向があるため、取得だと農地を使わなくなってしまった時のリスクが高めです。
地域によっては農地を格安で取得できるケースがあります。
まずは農業を始めたい地域を選定して、その地域の売り農地と賃貸農地の不動産情報収集から始めましょう。
流行している貸し農園や市民農園など、一つの農地を複数人でシェアする小規模な農地なら、借り手側は農業委員会からの許可が不要になるケースが多いです。
土地の所有者が適切な届出と手続きをする必要がありますが、趣味や副業レベルの小規模な農業は都市部に住んだまま手軽に始められます。不定期でしか農地の手入れができない場合でもおすすめのサービスがあるので、手軽に始めてみたい方は参考にしてみてくださいね。
個人や法人が農業目的で農地の賃借や売買をする場合は、農業委員会の許可が必要です。
農地を新たに取得もしくは借りるためには、以下の要件を満たしている必要があります。
※法人の場合は別途要件あり
大きなポイントになるのは、150日以上は農業に従事して、農地の全てを営農で利用することです。
営農計画の作成などは、農業委員会など役所のスタッフが親身にサポートしてくれます。
農地を確保する際に農業委員会への届出と許可が必要な理由は、固定資産税が安い農地を駐車場や資材置き場など他の用途で不正利用するのを防ぐことです。
確保した農地を農業で使用するのであれば、比較的スムーズに手続きを進めることができます。
農業委員会は農地として適切に使用しているかの確認もしています。
農業が嫌になったら他の用途で土地を活用すればいいなど、甘い考えを持たないようにしてください。
また、病気や介護、資金難など何らかの理由で年間150日以上は農業に従事する基準を満たせなくなった場合は、早めに農業委員会へ相談する必要があります。
資金難になった場合でも資金調達をして農業を継続することが望ましいです。
農業委員会は悪用防止を目的に厳しい審査と監視をしていますが、農業の発展を目的に新しく農地を確保する人を応援しています。
農地を取得もしくは借りたいと相談すれば親身に相談へ乗ってサポートしてくれるので、まずは農業を始めたい地域の自治体へ相談してみてください。