農業を始めるにあたり、作物を育てるだけでなく土地の確保や出荷の段取りも考えていく必要があります。
そんな農業のビジネスをサポートするのが農協(JA)です。
今回は、新規就農者や農協加入を迷っている方のために、農協に加入するメリットとデメリットを詳しくまとめてみました。
農協(JA)に加入すると以下のメリットがあります。
実務に直結するメリット
間接的なメリット
特に女性で未経験から農業を始めたいという方には、農協のサービスは魅力的といえるでしょう。体力的な心配や知識・スキルに関しても周囲のベテラン農家や同女性農家に相談しやすい環境のようです。育てる野菜や分野にもよりますが、農業において女性という性別がネックになることはまずありません。
地域によっては、ほぼ100%の農家が農協に加入しています。
農協は出荷から種・肥料などの仕入れをやっているので、実務の負担を大幅に減らすことが可能です。
ただし、農協加入は出資金を払う必要があるほか、農協を通じた出荷だと利益率が低くなってしまうデメリットがあります。
半強制参加のイベントや農協指定の肥料や苗を使う圧力などがあり、自由度が低くて近隣農家と同調したビジネスしかできなくなるケースが多いです。
昨今は新参組を中心に農協に加入しない農家が増えています。
農協に加入しなくても、独自のルートで仕入れて市場などへの出荷を自分で行う方法でビジネスが成立します。
スーパーや飲食店などと直接契約して、宅急便やチャーター便などで出荷することも可能です。
昨今はインターネットの普及もあり、独自ルートで販路を開拓するハードルが低くなりました。
農協関連のサポートを使えない、もしくは使うにしても農協非加入だと料金が高くなるというデメリットがありますが、基本的に農協を使わないで自社出荷すれば利益率が高くなります。
なお、農協には加入しているけど10トントラックを保有して市場への出荷は自分でやるなど、農協のサービスをフル活用しない方法もあります。
農協に加入しない場合は、安易な考えで農協加入の選択肢を消すのではなく、慎重に検討しながらリスクが低くて安定したビジネスモデルを構築するようにしてください。
農協に加入しておくと資金調達しやすくなるメリットがあるため、資金面の不安がある場合は農協加入をおすすめします。
時代の変化もあり、農協に加入しない農家に対して農協が直接圧力をかけることが少なくなりました。
しかし、農協加入率が高い地域で新参組の農家が農協に入らなかった場合は、孤立してしまう可能性が高いです。
農協に入らないビジネスモデルを構築すれば、その土地で何十年も農業を営んでいるベテラン農家の収入を超える可能性も出てきます。
そうなれば周囲の農家が面白いとは思えず、他の農家から個人単位で嫌がらせを受けることがあります。
新しく農業を始める場合は、近隣のベテラン農家からの助言や協力が役に立つものです。
資金力やスキル、販売ルートがない場合は農協に加入した方が失敗せず安定的に利益を出せる可能性が高いでしょう。
また、小規模農家の場合は農協に加入してサービスをフル活用することで手間を減らせるメリットがあります。
自分で畑の世話をしながら仕入れ先や出荷先の開拓と連絡調整をするのは大変なことです。
周りからの圧力や協力を得にくくなるデメリットを認識して、農協へ入らない選択をする場合は慎重に検討してください。
ただし、農協に加入しないビジネスモデルを構築できれば、利益率や育てる野菜の選択肢が増えるなど農業の幅が広がります。
入念な下調べは必要ですが、農協に加入しないで新しく農業を始めるのも悪い手段ではありません。
まずは農業を始めたい地域の農協加入率などを調べることから始めてみてください。
少しでも不安があれば、まずは農協に加入しておいた方が無難です。
実際に実務をこなしながら、農協から抜けるビジネスモデルを模索するとよいでしょう。